おすすめの今月の1枚

   
大塚国際美術館スタッフが毎月おすすめの作品をご紹介。
絵画鑑賞をもっと身近に興味深く楽しんでいただけたら嬉しいです。
 

【今月の1枚】リゴー、イアサント《ルイ14世の肖像》

【今月の1枚】リゴー、イアサント《ルイ14世の肖像》
 
 リゴーはフランス宮廷の肖像画家として名をなし、貴族や国王ルイ14世の肖像を数多く手がけました。
なかでも有名なこの肖像画は1701年、スペイン継承戦争を起こした63歳のルイ14世がスペイン王室に送るために描かせたもので、その出来ばえに国王自身があまりにも気に入ってしまい、スペインにはその模写が送られたと伝えられています。
 
 ブルボン家の紋章のユリを刺繍した豪華な白テンの毛皮のマント、右手の王笏、腰にシャルルマーニュ伝来の剣、左奥のクッションの上の王冠は、王の聖別式のための衣裳と道具であり、尊大に胸を張って立つ王の姿からは、絶対王政を確立し、「朕は国家なり」という言葉を残したルイ14世の威厳と品位がただよってきます。

 王は少年期に踊ったバレエの役柄がギリシア神話の太陽神アポロンであったことから、「太陽王」と呼ばれました。この絵では片足を前に出した動的な「コントラポスト」の姿勢で、高いハイヒールを履き、足が美しく見える優美なポーズをとっています。

 当館では、絵画の額縁も地域および時代考証をし、調査時点でオリジナルと同様のものを作ることを基本としており、この額縁は詳細な文様もルーヴル美術館から資料を取り寄せ、忠実に再現しています。ルイ14 世がフランス国王となった17 世紀は、絶対王政時代の象徴的な額縁が多く、額縁上部の王冠には、ブルボン家の紋章であるユリの花が彫られており、アカンサスの葉模様も豪華です。
 
 2019年5月の土日開催・もっと知りたいアートツアーでは、「名画の中のセレブリティ!華麗なる王侯貴族の世界」と題し、ルイ14世のほか、才能と美しさを兼ね備えたポンパドゥール夫人、皇帝ナポレオンと皇后ジョゼフィーヌなどフランスの王侯貴族が描かれた絵画を中心に、館内をめぐりながらスタッフがご紹介します。ぜひご参加ください。
 
                                         (文責:富澤京子 2019年5月)
 
 
リゴー《ルイ14世の肖像》
リゴー【1659-1743】
「ルイ14世の肖像」
1701年
油彩、カンヴァス/280×190㎝
ルーヴル美術館、パリ、フランス
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