おすすめの今月の1枚

   
大塚国際美術館スタッフが毎月おすすめの作品をご紹介。
絵画鑑賞をもっと身近に興味深く楽しんでいただけたら嬉しいです。
 

【今月の1枚】ブリューゲル、ピーテル(父)《子供の遊び》

【今月の1枚】ブリューゲル、ピーテル(父)《子供の遊び》
 
ブリューゲル「バベルの塔」展の開催が東京と大阪で予定され、今年、注目を集めている画家の一人です。
16世紀フランドル絵画の巨匠ブリューゲルは、当時の学者や人文主義者たちが既知の事柄を全て収集し記録しておこうとしたように、彼自身も芸術分野において、それを実行しました。

この絵には、100人以上の子供と約90種類の遊びが至る所に描かれており、それが画面右奥まで続いています。
中央少し下、馬乗りになった子供が、輪になったひもを引っ張りあっている遊びは「騎馬戦」です。地面に引いた線より相手を手前に引きずりこむか、騎手を落とすことで勝敗を決定します。この場面では、地面に置いた2つの石を線代わりにしています。片方の馬は今にも線を超えそうですが、もう一方の騎手を見ると上体が崩れるほど引っ張られており、落ちそうな状態です。まさに決着がつく瞬間に見えます。
 
「騎馬戦」のすぐ上には「馬とび」、さらに少し左上に「結婚式ごっこ」、奥の家の玄関では指先にほうきを立てバランスをとる「棒立て」、その右の角では「竹馬」の遊びが描かれています。皆さんも子供の頃に経験のある遊びではないでしょうか。その他にも、椅子とりゲーム(王様の退位ごっこ)、お店やさんごっこなどの遊びもあります。
 
この作品では、子供の遊びの中に大人の社会の模倣を描き出し、逆に大人の世界も子供の遊びにすぎないという画家のメッセージが表現されています。
 
昔の懐かしい気持ちを思い出していただきながら、ブリューゲルならではの細密描写された「子供の遊び」をお楽しみ下さい。また、当館では4~7月イベント「ノスタルジー 懐かしいあの日に帰る美術館」を開催します。過ぎ去った時代、離れた故郷、教科書や旅先でみた思い出の絵など大塚国際美術館で記憶をたどり“あの日に帰る”旅に出かけませんか。
 

(文責:川崎 泰寛 2017年4月) 

 
 
 
ブリューゲル、ピーテル(父)《子供の遊び》
≪子供の遊び≫
ブリューゲル、ピーテル(父)(1526年頃-1569年)
ウィーン美術史美術館、ウィーン、オーストリア
油彩、板/118×161cm
1560年 
※写真は大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです※
 
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