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【今月の1枚】 マルティーニ、シモーネ 「受胎告知と二聖人」

一般的に「受胎告知」の日は3月25日とされています。そこで今月はこちらの一枚をご紹介します。
「受胎告知」の場面で描かれる百合の花はマリアの純潔を表します。多くの絵画は、大天使ガブリエルがその百合の花を手に持ち描かれています。しかし、ここでは百合の花は床の花瓶に飾られ、天使の手にはオリーブの木が描かれています。
いったいなぜなのでしょう?実はそこには政治的理由が隠されています。
この絵の制作者はイタリアの都市シエナ出身です。シエナは隣国フィレンツェと昔から争いが絶えませんでした。フィレンツェの紋章といえば百合の花です。敵国の花を天使に持たせたくはないが、マリアの象徴を外すこともできない・・・という苦肉の策でこのように描かれています。
ちなみに西洋絵画では「オリーブの木」は、平和の象徴として使われることがあります。なんだか皮肉なものですね。

(文責:学芸部 黒川恵 2010年3月)

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マルティーニ、シモーネ(1284頃-1344)
《受胎告知と二聖人》
1333年
265×305㎝
ウフィツィ美術館、フィレンツェ

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